フェイキックIOL
(眼内コンタクトレンズ)
Phakic IOL
フェイキックIOL (眼内コンタクトレンズ) 手術=近視を治す新しい手術方法
近視を矯正する方法としてご存知の方法は、眼鏡やコンタクトレンズ、LASIK(レーシック)が一般的であると思います。
これら従来の方法と違い、フェイキックIOLとは眼内にレンズを挿れて近視を矯正する方法です。
眼内コンタクトレンズ(ICL)もフェイキックIOLの一つで、スター社のフェイキックIOLの登録商標ですが広く認知されていてわかりやすいので「眼内コンタクトレンズ(ICL)=phakicIOL」というような認識で呼ぶことがあります。
フェイキックIOLは、米国のFDAは2005年12月、カナダでは2001年、韓国では2002年4月に各政府より承認を受けて以降、世界で40,000件以上の実績がある安全な近視の治療法です。
こんな方にフェイキックIOL(眼内コンタクトレンズ)をおすすめします
- 20~45歳くらいの方
- コンタクトレンズの装用をやめたいという方
- 角膜が薄くレーシック手術ができないと言われた方
このようなお悩み・ご希望がある方には、ぜひ一度フェイキックIOL(眼内コンタクトレンズ)をご検討いただければと思います。気になる方は、お気軽にご相談ください。
フェイキックIOL手術とレーシック手術の違いは?
フェイキックIOL手術とレーシック手術の違いは、切開する部分がフェイキックIOLの方が小さくてすむことで手術前と比較して不具合(光の感じが方おかしくなる、ドライアイが悪化するなど)のリスクが少ないことです。
フェイキックIOL手術 | レーシック手術 | |
---|---|---|
角膜への侵襲 | ない | あり (角膜を削る) |
角膜が薄い場合の適応 | 可能 | 限度あり |
コントラストの感度 | 非常に良い | 良い ※強度近視では低下する |
可逆性 | 取り出すことで元に戻すことができる | 元に戻せない |
将来的な白内障手術への影響 | ない | ほぼない |
紫外線のカット | 対応あり ※UVカットレンズ | 対応なし |
術後のドライアイ | ほぼ起こらない | 起こる可能性がある |
フェイキックIOL手術とコンタクトレンズの比較
フェイキックIOLがコンタクトレンズより優れている点は、コンタクトレンズのようなつけ外しが不要でいつでも良好な視界が得られる、コンタクトを装用することでのドライアイの悪化やコンタクトの汚れによる視界不良を気にする必要がなくなる、という点です。
一方でコンタクトレンズがフェイキックIOLよりも優れている点は、近視の度数が変わった場合はすぐに調整ができる、手術をする必要がないという点です。
フェイキックIOLは、何らかの理由(仕事上、趣味など)でコンタクトレンズをつけることにストレスを感じている人が向いているといえます。
以下に、フェイキックIOL手術を行った場合と、コンタクトレンズを使用した場合を、費用の面から比べてみましょう。
フェイキックIOL手術とコンタクトレンズの比較
1.デイタイプのコンタクトレンズを使用した場合と比較
使い捨て1デイタイプのコンタクトレンズを1年間使用した場合に掛かる費用は、62,400円です(5,200円(両眼1ヶ月分)×12ヶ月)。
→9年と8ヶ月でフェイキックIOL手術の費用(60万円)とほぼ同額になり、その後はフェイキックIOL手術の方が割安になっていきます。
2.ウィークタイプのコンタクトレンズを使用した場合と比較
使い捨て2ウィークのコンタクトレンズとケア用品を1年間使用した場合に掛かる費用は、30,400円(4,600+3,000円で7,600円(両眼3ヶ月+ケア用品代)×4ヶ月)となります。
→19年9ヶ月でフェイキックIOL手術の費用(60万円)とほぼ同額になり、その後はフェイキックIOL手術の方が割安になっていきます。
フェイキックIOL手術のメリット・デメリット
フェイキックIOLのメリット
- レーシックとは異なり、角膜の厚さ、強度近視・乱視に関わらず、完全矯正が可能です。
- レーシックの場合、強度近視など矯正量の多い場合はグレアー、ハローなど夜間の視力の質に影響がみられる事があります。しかしフェイキックIOL(眼内コンタクトレンズ)は見え方の質が良好です。
- 視力はフェイキックIOL手術の直後より回復します。
- 水晶体を取らないため、眼の調節力が保たれます。また、レンズの除去ができ、手術前の状態に戻せます。
- 角膜表面を削らないので、強度近視のレーザー治療で出現する収差も増加せず、老眼年齢(47~50歳以上)になるまで、質の高い視力状態を保つことができます。
(-6D以上の強度近視になると、レーシックで角膜を削ると収差が増加するといわれており、当院では-6D以上の患者様にはレーシックではなく、フェイキックIOLをお勧めしております) - 角膜表面を切除しないため、術後ドライアイになりにくいです。
フェイキックIOL手術のデメリット
- 欧米では普及が進んでいますが、日本国内ではまだ新しい手術方法です。
- 安定していない近視、 眼内に炎症がある、前房(角膜~虹彩の間)が浅い等の方は手術できない場合があります。
- 治療費は自費となり高額になります(健康保険不適応)。
※なお、レーシックも自費診療です。
フェイキックIOL手術の費用
準備中です。
フェイキックIOL手術の流れ
1.検査・カウンセリング
詳しい検査、採血検査を行います。
所要時間は1時間半程度となります。
※初診はいつでも可能です。術前検査は予約制です。
2.麻酔
麻酔は注射をせず、目薬の要領(点眼麻酔)で行うため、痛みがなく安全です。どうしても怖くて緊張してしまったり、自信のない方には緊張のとれる笑気麻酔(吸入麻酔)を使うことでリラックスした状態で手術に臨むことができます。
3.フェイキックIOL手術
手術の1,2時間前の指定の時間に来院していただきます。
角膜の縁の部分を3mmほど切開します。痛みは感じません。傷跡も分かりません。
手術自体は長くても15分程度で終了します。
4.フェイキックIOL手術の後のケア
日帰り手術ですので、手術後10~15分で帰宅できます。
手術当日から約1週間は透明なゴーグルをつけて生活します。眼をこすったりする不安がある人は当日は眼帯をさせていただきます。
翌日から普段に生活していただけますし、手術翌日の診察後には車の運転もできます。ただし、洗顔、洗髪は3日目から、化粧は7日目から可能です(※医師の確認が必要です)。
5.フェイキックIOL手術後の診察
手術後の診察が必要です。
診察スケジュール:翌日、3日目、1週間後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後
※手術後の経過により変動します。
手術後は、ご希望の見え方にすることが可能です。
フェイキックIOL手術後の注意事項
- 手術の翌日から、首から下のシャワーが可能です。入浴・洗顔・洗髪3日後までお控えください。メイクは、1週間後からとしてください(※医師の確認が必要です)。
- 手術翌日の診察で視力回復の確認ができるまでは車の運転をお控えください。
- 手術後3日間は、アルコールをお控えください。炎症がでたり、痛みの原因になったり、誤って傷口をさわって不具合が起きることがります。
- 手術後3日間は、パソコン作業・テレビ観賞・読書・デスクワークを手術以前のようにすると眼が疲れやすかったり痛みが出やすいので可能な限り控えてください。
- 手術後1週間は、サウナ・温泉・海外旅行をお控えください。
- 運動の再開は、軽めの運動(ジョギング・ゴルフなど)は1週間後、激しい運動(水泳など)は1ヵ月後を目安とします。
フェイキックIOL手術のリスク
安全性の高いフェイキックIOL手術ですが、リスクも存在します。
事前にご説明いたしますのでご理解とご同意を頂けましたら、手術を行います。
- かすみ、ぼやけ、眩しさ、異物感、充血などの症状が現れる場合がありますが、多くは1週間程度で治まります。
- 平均して3%ほどの内皮細胞数減少が起こりますが、次第に安定します。
- 稀に眼圧上昇を起こし、点眼・内服・レーザー治療が必要になる場合があります。
- 稀に過矯正・低矯正により、度数を合わせるためのレンズ交換・再手術が必要になる場合があります。