コラム COLUMN
アレルギー性結膜炎があると近視が進行しやすい
2024.11.14
ドクター
こんにちは。おおうら眼科の大浦嘉仁です。
最近ではアレルギーも近視も現代病になっていて、アレルギーも近視もないという方は結構少なくなってきているのではないかという印象です。
眼科でいうアレルギーというと季節になると目がかゆくなるアレルギー性結膜炎ですが、アレルギーも近視も発症が低年齢化してきていて小学校に上がる前に近視やアレルギーになっているお子様が増えてきているなと感じています。
アレルギー性結膜炎と近視は一見別物のように感じますが、関連があることをご存じでしょうか?
2018年に報告された論文では、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎をもつ子供たちを調べたところ、アレルギー性結膜炎を持つ子供が最も近視になるリスクが高く、アレルギーによって発現が亢進するTNFαなどが眼軸の延長(近視化すること)に影響を与えていることが示唆されています(1)。
また2024年に報告された論文には、近視抑制効果のある治療法のオルソケラトロジーをしている子供たちで比較したところ、アレルギー性結膜炎のある子どものほうがアレルギー性結膜炎のある患者より眼軸が延長しやすい(近視化しやすい)、オルソケラトロジーを中断するリスクが高いことが報告されています(2)。
ただこれらの論文ではアレルギー性結膜炎を点眼薬などで厳格に治療したら、近視の進行が抑制されるのかまでは言及されていません。
アレルギーになりたくてなるひとはいないし、花粉症にならない方法というのも存在しないので自分でアレルギーの発症を予防することは困難ですが、一方で近視になる要因は、半分は環境因子(眼の使い方)と言われています。
幼いころからの眼の使い方、携帯ゲーム機やスマホで長時間ゲームをする、勉強したり本を読むときに近づきすぎるなどの習慣が近視の発症に大きな影響があると、日々臨床をしながら私が感じている実感です。
アレルギー結膜炎を点眼薬でしっかり症状をコントロールしたときに近視進行がすこし緩やかになるのかどうかはわかりませんが、近視眼でTNFαなどの炎症性サイトカインの発現が亢進しているのは事実なので、それを目薬で可能な限り抑制するのは一理あると考えます。
ですので、アレルギー性結膜炎があるお子様をお持ちの親御さんは、近視にならないように生活習慣に気を付けたり、かゆがっているようであれば積極的に点眼薬をして症状をコントロールすることも大切かなと思います。
もしアレルギー性結膜炎や近視でお困りの方がおられましたが、当院にお越しください。
参考文献
(1)C.C.Wei et al. Allergic Conjunctivitis-induced Retinal Inflammation Promotes Myopia Progression eBioMedicine. 2018 Jan 31;28:274–286
(2) X Nui et al. Long-term effect of orthokeratology on controlling myopia progression in children with allergic conjunctivitis Cont Lens Anterior Eye. 2024 Jul 23:102280. doi: 10.1016/j.clae.2024.102280.
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