コラム COLUMN
糖尿病で視力を失わないために⑤-糖尿病になったらすべきことは?-
2023.07.08
スタッフ
こんにちは! おおうら眼科 スタッフのもーりーです。
糖尿病による眼の合併症【糖尿病黄斑浮腫】【血管新生緑内障】【硝子体出血】【網膜剥離】について、4回にわたってコラムを書いてきましたが……今回が最終回です!
実は糖尿病には、放置していた期間がある方の方が、そうでない方より合併症のリスクが高いというレガシーエフェクト(遺産効果ともいいます)という現象があります。
つまり、早期にしっかりと血糖値のコントロールなどを行っていると、のちのち出てくる合併症のリスクが低くなるんです。
最終回は、糖尿病の合併症リスクを下げるため、すべきこと4選をお伝えいたします!
糖尿病になったらすべきことは?
では、合併症によって視力を失わないために、糖尿病になったらすべきことを4つお伝えいたします!
①血糖値のコントロールをしっかりと行いましょう!
糖尿病により引き起こされる硝子体出血や牽引性網膜剥離といった合併症は、糖尿病が悪化してから出る病気です。
そのため、血糖値をコントロールし糖尿病を悪化させないようにしていれば、合併症をある程度防ぐことが可能です!
糖尿病と診断されたら、医師の指示に従い、食事や運動に気を付けて、血糖値のコントロールを行いましょう!
②糖尿病と診断されたらすぐに眼科へ!
糖尿病と診断されると、多くの場合「一度眼科も受診してくださいね」と医師に言われます。
それは、眼の合併症は糖尿病が悪化しない限り自覚症状が出にくいからです。
ですが、内科や糖尿病内科へは行っていたものの眼科には行っておらず、悪化して症状が出てから受診される方がたびたびいらっしゃいます。
症状が出てからだと、治療しても視力などが十分に回復しない可能性があります。
糖尿病と診断されたら、自分の今の眼の状態を確認するために、必ず眼科へ行きましょう!
③定期的に眼科で検査を受けましょう!
糖尿病は、じわじわと進行していくため自覚症状が出にくい病気です。
そのため定期的に検査を受けることによって、いち早く異変に気付き、治療をしていくことが重要となってきます。
糖尿病網膜症の無い患者様の場合は最低でも半年に一度、糖尿病網膜症がある患者様の場合は最低3か月に一度、眼底検査を受けるようにしてくださいね。
※白内障や緑内障など、他の眼の病気がある場合は医師と相談して検査の頻度を調整してください。
④体重・血圧・コレステロール値も気にしましょう!
糖尿病に加えて肥満や高血圧、脂質異常症(血液中のコレステロール値や中性脂肪の割合が高い状態が続く病気)があると、ない人よりも血管が詰まりやすいので、網膜の状態が悪化しやすい傾向にあります。
例えば、収縮期血圧が10mmHg上昇すると、初期の糖尿病網膜症のリスクが10%、糖尿病黄斑浮腫のリスクが15%上昇する、なんていうデータがあるそうです!
血糖値のコントロールと併せて体重・血圧・コレステロール値もコントロールしていきましょう!
下記に糖尿病の場合の体重・血圧・コレステロール値の目標値を載せていますので、参考にしてみてくださいね☆
糖尿病は、正しく理解しコツコツと血糖値をコントロールすれば、怖くない病気です!
まずは何においても血糖値のコントロールが最重要課題となります。
食事の改善や運動は大変ですが、一緒に無理せずコツコツと頑張っていきましょう☆
「糖尿病って言われたけど、眼科に行ってない……」「最近眼の調子が悪いんだけど……糖尿病のせいかしら?」など、何か気になることがあればお気軽に受診してくださいね☆
受診予約は右側にある「受診予約」から!(スマートフォンでご覧の方は下部に御座います。)
ご予約の方が優先になりますが、ご予約無しの方でも受付させていただきます。
参考文献
- 日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版)
糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1 版) (nichigan.or.jp) - 国立国際医療センター 糖尿病情報センターHP 糖尿病の治療ってどんなものがあるの?
糖尿病の治療ってどんなものがあるの? | 糖尿病情報センター (ncgm.go.jp)