コラム COLUMN
ICL検査:手術前に知っておきたい5つのポイント
2024.07.12
スタッフ
こんにちは!おおうら眼科です。
近視や乱視、遠視などの屈折異常を矯正する視力矯正手術として、近年注目を集めているICL手術
レーシックとは異なり、角膜を削ることなく眼内にレンズを挿入するため、安全性の高い手術として評価されています。
しかし、ICL手術を受ける前に、必ず ICL検査 を受ける必要があります。ICL検査では、医師が検査結果を総合的に判断し、あなたの目に合った治療法を見つけるために、以下の5つのポイントを詳細に確認します。
▼これまでの記事
ICL検査とは? 目の健康状態と適応を徹底的にチェック
ICLとは
ICLは、眼内コンタクトレンズの略称で、Implantable Collamer Lensの頭文字を取ったものです。近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正するために、目の中に挿入する人工レンズのことを指します。
レーシックと異なり、角膜を削らずに行う手術であるため、角膜が薄い方や、ドライアイなどの目の疾患がある方にも適応されています。また、術後に視力が戻ってしまうことが少ないというメリットもあります。
検査から手術までの流れ
①適応検査
はじめに適応検査を行い、眼内コンタクトレンズ(ICL)治療が行える眼かどうかを判断いたします。
②術前検査
術前検査を適切に行うために、コンタクトレンズを装用している方は中止期間が必要となります。
※コンタクト装用中止をせずに検査を行うと、元々の角膜形状ではないため、術後の矯正値、視力に大きな影響を及ぼすことがありますので必ず中止してから来院してください。
ソフトコンタクトレンズ(乱視なし):術前検査の1週間前から中止
ソフトコンタクトレンズ(乱視あり):術前検査の2週間前から中止
ハードコンタクトレンズ:術前検査の3週間前から中止
術前検査後に正式にレンズ発注を行います。レンズの在庫により、手術の予定が遅れる場合もございます
③手術
ICL手術についてはこちらをご覧ください。
検査項目を徹底解説:10種類以上の検査で安心の手術へ
- 視力検査
裸眼視力、矯正視力などを測定し、屈折異常の程度を確認します
(眼鏡・コンタクトレンズ度数と視力、用途、見え方などを確認します) - 眼圧検査
眼球内部の圧力である眼圧を測定し、緑内障などの目の病気がないか確認します - 角膜形状検査
円錐角膜や不正乱視などがないを確認します - 前眼部OCT検査
実際にレンズを挿入する場所の把握やレンズサイズの決定に使用します
角膜や虹彩、水晶体などの目の前面組織を断層撮影し、異常がないか確認します - 眼底検査
網膜や視神経などの眼底組織を診察し、糖尿病網膜症や緑内障などの目の病気がないか確認します - 角膜内皮細胞検査
角膜の細胞に問題がないかをチェックします - 瞳孔検査
瞳孔の大きさを測定し、ICLレンズが適切に挿入できるかどうか確認します - 採血検査
また、手術を受けるのに必要な採血を受けていただきます。
その他、眼軸長検査・角膜厚・角膜水平径・涙液検査など必要な検査を行います
検査時間は? 当日の流れをスムーズに
検査時間は、約2時間程度です。検査は視能訓練士が丁寧に行いますので、不安なことがあれば何でも聞いてください。
特に視力検査はICLレンズを決定する上で、とても重要となりますので通常より時間をかけて行います。
調節麻痺下屈折検査のために当日点眼を行います。必要な検査を行った後、点眼し、点眼後約1時間後に検査を再開します。
点眼の作用として、瞳孔が開いた状態・調節(ピント合わせ)ができない状態が1日から2日持続するため、翌日の運転などは控えてください。
ICL検査でわかること:手術適応だけでなくリスクも把握
ICL手術は安全性の高い手術ですが、すべての人に適しているわけではありません。検査結果によっては、ICL手術に適していないと判断される場合もあります。
不適用と判断される場合
- 45歳以上の年齢の方:手元が見えにくくなるリスクを考慮する必要があります(適応が21歳から45歳まで)
- 前房深度(ICLレンズを入れるスペース)が十分にない場合
- 角膜形状に円錐角膜や不正乱視がある場合
- 他の屈折矯正や内眼手術歴がある場合
- 一定の度数を超える強度近視の場合
- -3.00D以上-6.00D未満、-15.00D以上の強度近視については慎重適応となります
(→-3.00D以下の近視では適応外となります)
ICL手術のリスク
- 眼感染、白内障、緑内障、虹彩炎、レンズのずれ、視力低下などの合併症
- 術後数日は目のごろごろ感、視界のぼやけ、目の乾燥、目の疲れなどが起こる場合があります
- 術後数日〜数ヶ月はハロー(光がにじんで広がり、光の周りにリング状のもやがかかったように見える現象)グレア(光がぎらついたり伸びたりして、まぶしく見える現象)が起こります。
術後徐々に慣れていくと言われています
ICL検査後のスケジュール:手術当日までの準備
検査結果に基づいて、ICLレンズの種類や度数を決定していきます。
度数を決定した後は発注を行います。到着までに最短3週間から2ヶ月かかります。
手術の日程は術前検査時に仮予定として決定します。
※(レンズの納期によっては手術日程が遅れる可能性がございます)
手術後は翌日、1週間後、1か月後、3か月後、6か月後、1年後に定期検診を行います。
まとめ
ICL治療は、近視や乱視、遠視などの屈折異常を安全かつ効果的に矯正できる視力矯正手術です。
まずはご来院いただき、検査を受け、手術のリスクやメリットを理解し、自分に合った治療法を選びましょう。
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