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コラム COLUMN

白内障手術のあれこれ①眼内レンズの度数(狙い)

2024.10.08

ドクター

眼内レンズの度数(狙い)について

こんにちは。おおうら眼科院長の大浦嘉仁です。
白内障手術を受けるにあたって、眼内レンズをどうするか、どこを見えるようにするかという「眼内レンズの度数(狙い)」について術者との相談が必ずあることと思います。その基本的な考え方と、起こりやすいトラブル、注意点について解説したいと思います。

眼内レンズ度数(狙い)とは

保険診療で白内障手術を受ける場合、挿入される眼内レンズは「単焦点」眼内レンズになります。その場合「単焦点」=「一か所にピントが合う」というものなので、逆に言えば、「ピントの合わない箇所」=「ボケてみえにくい」となります。これはすなわち「完全な老眼」=「調節力がない」ということです。なんか大丈夫?とおもうかもしれませんが、通常70歳以上で手術を受けられる方は完全に老眼になっているのでこの老眼になるというデメリットはなく、今までの眼の使い方でよく視えるということになります。

「どこにピントを合わせるか」ということが「眼内レンズ度数(狙い)を決める」ということになります。基本的な考え方は、もともと40-50歳まで裸眼で運転免許を更新できるような良好な視力で、手元を見るときに老眼鏡を使用していた人は「遠見狙い=手元は老眼鏡使用」で、もともと近視で手元を眼鏡なしで見ていた、対象物を近づけたらピントが合う自覚がある人は「近見狙い=遠くをみるときは眼鏡」になります。

よく起こる勘違い

「遠い」、「近い」の感覚の違い

眼科でいうところの「遠く」とはどのような距離でしょうか?2m先のテレビをみるのは近見でしょうか、遠見でしょうか?

2m先のテレビは「遠見」です。ひとによってここが大きく違います。
医師はあまりに当たり前なのでこの部分を明確に確認しないこともありますが、患者さんのとらえかたはそれぞれです。
狙いを希望する場合は、具体的な行為「スマホが見たい」「裸眼で運転したい」「PCしたい」「楽譜を見たい」などの希望を言うと意思疎通のずれがなくなるのでそのように相談してみましょう。

相談するときに、医師から(眼鏡なしで)「遠くが見たいですか」「近くが見たいですか」というような問いかけがあります。
ここで例えばもともと近視で手元が眼鏡なしでよくみえるひとに問いかけると、たまに「遠くが見たいです」とお返事なさる方がいます。そのときの勘違いとして医師は(手元はみえなくてもいいので、眼鏡で遠くを見たいんだな)と勘違いする場合があります。
患者さんとしては「(近くは当然手元がよく見える状態で)遠くがみたい」と言っている場合があります。最初の単焦点の眼内レンズの説明より、この患者様の要望は単焦点レンズでは達成困難なのですが、患者さんの願望としてそれまでの話は聞いていても忘れてしまう(認知バイアス)ことがあり、その結果術後に遠くは見えるようになったが、近くが見えなくなる場合があります。そうなると患者様は遠くは見えるようになったが、今まで見えていた近くが見えなくなって、よくなったのか悪くなったのかわからなくなり、手術に対する満足度が大きく低下する場合があります。

ですので術後の視力、目の使い方のイメージができない場合は「もともと近視の人は近視に」「もともと遠くがみえるひとは遠見狙い」にすると、目の使い方の習慣を変える必要がないため術後のストレスが軽減されますので、そのようにするのがよいでしょう。

おおうら眼科は一人ひとりのお悩みに丁寧にお答えします。

当院では、さまざまなケースに対応できるよう患者様に治療の選択肢をご提示しております。各治療のメリット・デメリットをしっかりとご説明させていただき、ご理解いただいてから治療を行っております。
どんな些細なことでも不安や心配なことがございましたら、お気軽にお尋ねください。

受診予約は右側にある「受診予約」から!(スマートフォンでご覧の方は下部に御座います。)
ご予約の方が優先になりますが、ご予約無しの方でも受付させていただきます。

大阪市淀川区・阪急三国駅から徒歩約2分の眼科「おおうら眼科」では、眼科全般の診療を行っています。

院長は、これまで大学病院やさまざまな症例に関わり、多くの手術を手がけてきました。
これまでの臨床経験で得てきたノウハウを用いてそれを可能な限り実現し、患者様に満足していただけるように最大限努めています。

おおうら眼科では眼科全般の対応はもちろん、白内障、網膜硝子体、緑内障の極小切開の手術が受けることが出来ます。クリニック内で行うことで術後のフォローやケアも一貫して行なえます。その他、小児の斜視や弱視の治療にも注力しています。

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