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コラム COLUMN

近視になりたくなければ外で遊ぼう!紫色光(バイオレッドライト)は近視進行を抑制する

2026.03.19

ドクター

「外で自然光を浴びること」――特に太陽光に含まれる紫色光(バイオレットライト)を取り入れること――は、近視の進行を抑制する最もシンプルで確実な方法だとわかってきました。

世界的に近視の子どもは増え続けています。中国の報告では、20万人以上の0〜19歳を解析した結果、小学生の約4〜5人に1人、中学生ではほぼ半分、高校生では3人に2人が近視であり《①》、さらに今と同じ生活が続けば2050年には若年層の6〜7割が近視になると予測されています《①》。これは中国に限らず、都市化・屋内生活の長時間化・スマホ使用など、世界共通の環境が影響しています。

近視はなぜ進むのでしょうか。

近視は、眼球が後に伸びる「眼軸長の伸長」によって生じます。この過程には、網膜、脈絡膜、強膜が連携して光シグナルを受け取る仕組みが深く関係します。この分野においては慶応大学眼科の栗原先生のグループが大変有益な研究成果を多数報告しています。

まず、太陽光に含まれるバイオレットライト(360〜400nm)が、網膜のOPN5という光受容体を通じて眼軸伸長を抑え、脈絡膜の薄化を防ぐことを報告しています。

屋外で過ごすことだけで近視進行が本当に抑制できるのでしょうか?

中国の大規模ランダム化比較試験では、毎日40分の外遊びを追加するだけで近視発症が有意に減少しました《⑧》。台湾の学校での研究でも、休み時間を外で過ごすだけで近視発症・進行が抑制されました《⑨》。さらに、世界的なメタアナリシスでは、「どんな運動をするか」よりも「外にどれだけいるか」が近視予防の鍵であると示されています《⑩》。目安としては、1日2時間、週13〜14時間の屋外時間が推奨されています。《⑩》
特別な運動や道具は不要で、ただ外に出て光を浴び、遠くを見るだけで十分です。

そして何より伝えたいのは、
「外で自然光――特にバイオレットライト――を浴びることこそ、近視を防ぐ最も自然で強力な方法である」

ということです。未来の視力を守る鍵は、今日の小さな習慣にあります。ぜひ毎日の生活に「外に出て光を浴びる時間」を取り入れてください。それが、子どもたちの目を守る最高の“光の処方箋”になります。

参考文献

① Pan, W., Zhang, X., Ma, Y., et al. (2024). Prevalence and temporal trends in myopia and high myopia in Chinese children and adolescents: A systematic review and meta-analysis with projections from 2020 to 2050. The Lancet Regional Health – Western Pacific, 39, 100950. https://doi.org/10.1016/j.lanwpc.2024.100950

② Jiang, X., Pardue, M. T., Mori, K., Ikeda, S.-I., Torii, H., D’Souza, S., Lang, R. A., Kurihara, T., & Tsubota, K. (2021). Violet light suppresses lens-induced myopia via neuropsin (OPN5) in mice. Proceedings of the National Academy of Sciences, 118(22), e2018840118. https://doi.org/10.1073/pnas.2018840118

③ Ikeda, S.-I., Torii, H., Negishi, K., Tsubota, K., & Kurihara, T. (2022). Scleral PERK and ATF6 as targets of myopic axial elongation. Nature Communications, 13, 5859. https://doi.org/10.1038/s41467-022-33605-1

④ Kang, L., Ikeda, S.-I., Yang, Y., Jeong, H., Chen, J., Zhang, Y., Negishi, K., Tsubota, K., & Kurihara, T. (2023). Establishment of a novel ER-stress induced myopia model in mice. Eye and Vision, 10, 44. https://doi.org/10.1186/s40662-023-00361-2

⑤ Mori, K., Kurihara, T., et al. (2019). Oral crocetin administration suppressed refractive shift and axial elongation in a murine model of lens-induced myopia. Scientific Reports, 9, 295. https://doi.org/10.1038/s41598-018-36576-w

⑥ Mori, K., Torii, H., et al. (2019). The effect of dietary supplementation of crocetin for myopia control in children: A randomized clinical trial. Journal of Clinical Medicine, 8(8), 1179. https://doi.org/10.3390/jcm8081179

⑦ Hou, J., Mori, K., Ikeda, S.-I., et al. (2023). Ginkgo biloba extracts improve choroidal circulation leading to suppression of myopia in mice. Scientific Reports, 13, 3772. https://doi.org/10.1038/s41598-023-30908-1

⑧ He, M., Xiang, F., Zeng, Y., et al. (2015). Effect of time spent outdoors at school on the development of myopia among children in China: A randomized clinical trial. JAMA, 314(11), 1142–1148. https://doi.org/10.1001/jama.2015.10803

⑨ Wu, P.-C., Tsai, C.-L., Wu, H.-L., Yang, Y.-H., & Kuo, H.-K. (2013). Outdoor activity during class recess reduces myopia onset and progression in schoolchildren. Ophthalmology, 120(5), 1080–1085. https://doi.org/10.1016/j.ophtha.2012.11.009

⑩ Xiong, S., Sankaridurg, P., Naduvilath, T., et al. (2017). Time spent in outdoor activities in relation to myopia prevention and control: A meta-analysis and systematic review. Acta Ophthalmologica, 95(6), 551–566. https://doi.org/10.1111/aos.13403


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