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いい飛蚊症と、わるい飛蚊症!飛蚊症に注意

2025.02.27

こんにちは。おおうら眼科の大浦嘉仁です。

青い空を見ていたら、黒い点のようなものや糸くずのようなものが動いて見えたので心配で来院した、という方がいらっしゃいます。視界の中で、外界には実際に存在しない黒い点や糸くず、雲のようなものが「動いて」見えるものを眼科の専門用語で「飛蚊症」と呼んでいます。

飛蚊症の特徴は、視界の中で「動く」ことです。少しでもいつも見えている場所からゆらゆらと動く感じがあれば、それは飛蚊症です。
逆にまったく変化がない場合、紙を見ても、PCモニターを見ても、空を見ても、同じ個所、同じ大きさで見えるものは飛蚊症ではなく「視野障害」と考えられ、緑内障や黄斑疾患、そのほかの視神経~脳までの視路の疾患の可能性があります。

飛蚊症の原理は、眼の中には硝子体という透明なコラーゲンのゼリーが入っていますが、その中にある濁りが見えているということです。要は、眼の中に飛蚊症のもとがあって、それが見えているということです。

飛蚊症には大きく3つの成り立ちに分けられます。

  1. 生まれつきのもの:もともと生後から目の中に存在していたが、加齢により硝子体がゲル化して眼の中の濁りが眼内を動けるようになり見えるようになった。
  2. 硝子体は眼の内側に張り巡らされている網膜と糊で引っ付いた感じでくっついていたが、加齢により硝子体が網膜から剥がれてきたときに、くっつきが強かった部分の硝子体が濁って、それが新たな硝子体の濁りとなり、視界で見えるようになった。
  3. 眼の病気(硝子体出血、網膜裂孔、ぶどう膜炎など)で硝子体が出血や炎症で濁ったため見えるようになった。

眼科受診をする理由としては、(3)に相当する場合、その原因となった病気に対して緊急的に治療が必要になることがあるからです。
散瞳薬を用いた眼底検査をして眼の中をくまなく調べ、異常がないかを確認します。原因が見つかった場合は、疾患に応じて網膜光凝固(レーザー治療)、硝子体注射、手術、投薬などの治療が施されます。治療が間に合わなかった場合、網膜剥離や出血の原因によっては手術加療が必要になったり、恒久的な視力低下につながるリスクがあるので注意が必要です。

ただし、(1)、(2)、(3)の飛蚊症の出方にはちょっとしたパターンがあります。このパターンはあくまで予想であり、正確なところは眼底を精査しないと分からないことをご承知おきの上、以下を参考までにお読みください。

(1)(2)のパターンは、1、2個の飛蚊症が、自分ではいつからかは分からないけれど見えるようになったというケースです。シチュエーションとしては、空やモノトーンの壁を見たりして、よくあるのは入院して壁を見ていたら気づいたとか、白内障手術をした直後から見えるようになった、などがあります。
1、2個の飛蚊症がいつからか、前からずっとあるというのは、もし(3)の場合であれば重篤な視力低下をきたしている可能性があるため、何もせずそのままで悪化がないのであれば、生理的な、すなわち健康な状態でも生じる飛蚊症である可能性が高くなります。

逆に、悪い飛蚊症、すなわち放置してはいけない飛蚊症のパターンは、急に細かい無数の飛蚊症が出てきた、筋が垂れるような感じのものが見えてから小さな飛蚊症が増えた、ピカピカと強い光が視野の周辺部分で光ってから飛蚊症が出てきた、というのが悪い飛蚊症の典型例です。
急に出現する細かい飛蚊症は、硝子体出血を起こしている可能性が否定できません。網膜が破れたか、悪い目の病気から眼の中に出血した可能性が高くなります。まれに少量の出血のみでセーフだったということもありますが、基本的には3日以内には受診してほしい症状です。
また、視野の周辺部分でピカピカと稲光のような強い光を感じたというのは、網膜が強く引っ張られた際に起こる現象であり、その後に飛蚊症が生じた場合は網膜が破れている網膜裂孔を形成している可能性が高くなります。50~60歳で起こりやすいので、そのような症状があった場合は、今すぐに、遅くとも3日以内に受診してください。受診するスピードでその後の治療が変わることがあります。
網膜裂孔を伴い、加えて出血している場合は、急速に網膜剥離が進行するリスクが高くなります。網膜剥離が進行すると、手術加療以外に治療法がなくなります。日帰り手術も可能ですが、基本的には1~2週間の安静が必要になり、その間、術式によっては手術した目はほとんど見えない状態になることがあります。生活に大きな制限がかかってしまうので、そのようなことを未然に防ぐために、悪い飛蚊症の方はできるだけ早く眼科を受診してください。

飛蚊症は治るのかと皆さん心配されますが、このことについては次のコラムで説明いたします。

飛蚊症が気になったら、おおうら眼科までお越しくださいね。


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