コラム COLUMN
コンタクトレンズのあれこれ①
2024.10.17
ドクター
乱視用コンタクトレンズはどんな時におすすめか
こんにちは。おおうら眼科院長の大浦嘉仁です。私は中学生からのコンタクトレンズユーザーです。当時1週間連続装用OK(今となっては本当にそうだったかは?ですが)のコンタクトレンズを使っていて、眼科医になって角膜内皮細胞を測定したら細胞数が大きく減っていてショックを受け、いまはコンタクトと眼鏡の併用をしています。
Cooper VisionのコンタクトレンズのWebinerで乱視用コンタクトレンズについて学んだことで患者様にとって有益な情報がありましたのでお伝えします。
そのWebinerでは「乱視量が-0.75D以上であれば球面レンズの矯正のみの通常のコンタクトレンズに比べて乱視用を選択したほうが見えやすい」という患者アンケートの結果がありました。
この結果を受けてクリニックの皆で話しましたが、我々の臨床上でも体感的に-1.0D以上の近視であればそういう実感があるということでした。
-0.75Dの扱いですが、確かにその乱視も矯正したほうがよく見えると思いますが、Webinerのデータ上でも、球面のみの通常の矯正でも1.0以上だったので、視力に対する要求度が高くなければ、基本的には処方としてOKとする場合が大半なので、乱視軸によるとの結論になりました。
「乱視軸による」というのは、直乱視(軸が180°)の場合横線がボケて縦線はすっきり、倒乱視(軸が90°)であれば縦線がボケて横線がくっきりとなるのですが、日本語の特性上、-0.75Dの乱視でも倒乱視だとみえにくいのでしっかり矯正したほうがいいのではないかということが話に上がりました。
実際、直乱視の場合、結構な乱視があっても裸眼視力が良い人が存在するので、あながち間違ってはいないように思います。
現代はスマホやPCなどで細かい文字を見る機会が多いため、よりくっきりとみえないと目の不調を感じやすくなる環境があるといえます。論文を探してみると、-0.75-1.5Dの乱視のある人で、乱視用コンタクトレンズでの乱視を矯正した人と球面レンズのみで乱視を矯正しなかった人を比較したときに、乱視用コンタクトレンズを使用した人はPC使用上のパフォーマンスが向上したとの報告が見つかりました(1)。
乱視用コンタクトレンズをつける際には、乱視のマークを確認したり、目によってはコンタクトがずれてパフォーマンスを発揮できない、費用がノーマルのレンズに比べて数百円高いなどの難点はあります。しかしながら、特に40歳くらいになり、老眼も始まってどうもみえにくいと感じる人は、眼鏡を完全矯正気味にあわせたがる傾向があるので、そのような人にはコンタクトでもしっかり乱視を矯正すると見えやすさや目の疲労感が下がり、パフォーマンスも上がるのではと思うのでした。
おおうら眼科は一人ひとりのお悩みに丁寧にお答えします。
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おおうら眼科では眼科全般の対応はもちろん、白内障、網膜硝子体、緑内障の極小切開の手術が受けることが出来ます。クリニック内で行うことで術後のフォローやケアも一貫して行なえます。その他、小児の斜視や弱視の治療にも注力しています。
参考文献
(1)Cecilia C et al. Soft toric contact lens wear improves digital performance and vision-A randomised clinical trial Ophthalmic Physiol Opt. 2023 (1):25-34. doi: 10.1111/opo.13053.