コラム COLUMN
糖尿病黄斑浮腫って何? 糖尿病で視力を失わないために②
2023.06.17
スタッフ
こんにちは! おおうら眼科 スタッフのもーりーです。
前回のコラム【糖尿病で視力を失わないために①】では、糖尿病はどんな病気か? 眼と関係ある糖尿病の合併症とは何か? についてご説明いたしました。
最後の方で糖尿病網膜症から視覚障害につながる原因となる病気4つをご紹介しましたが、覚えていらっしゃいますか?
それは……
①糖尿病黄斑浮腫(とうにょうびょうおうはんふしゅ)
②血管新生緑内障(けっかんしんせいりょくないしょう)
③硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)
④網膜剥離(もうまくはくり) の4つでしたね!
今回は、①糖尿病黄斑浮腫がどんな病気か、治療はどうするのかについてご説明いたします!
糖尿病で視力を失う原因① 糖尿病黄斑浮腫
まずは、糖尿病黄斑浮腫(とうにょうびょうおうはんふしゅ)がどんな病気かご説明いたします。
糖尿病になると全身の血管が傷んできますが、眼球も例外ではありません。
血管が傷ついたり詰まったり、こぶが出来たり、血液中の成分が他の部分に漏れて溜まりその部分がむくんだりします。
眼球の奥の方には、網膜(もうまく)という神経が集まったシート状の組織があり、その中でも文章を読んだり物を見分けたりするのにとても重要な神経が集まっているところを黄斑(おうはん)といいます。
糖尿病により網膜の血管にこぶができたり、血液中の成分が他の部分に漏れ出したりして、黄斑がむくんだ状態が【糖尿病黄斑浮腫】という病気です。
黄斑浮腫が起こると【ものがかすんで見える】【ものがゆがんで見える】【一部見えないところがある】といった自覚症状が出ます。
糖尿病黄斑浮腫の治療法
糖尿病黄斑浮腫の主な治療法は【抗VEGF薬治療】と【硝子体手術】がありますが、【硝子体手術】は網膜剥離・硝子体出血で主に行われている治療法です。
そのため、今回は【抗VEGF薬治療】についてご説明いたします!
糖尿病黄斑浮腫の原因には、VEGFという物質が関係しています。
そのため、治療ではVEGFの働きを抑える抗VEGF薬という薬を目の中に注射し、むくみを減らしていきます。
治療当日の流れはこのような感じです!
抗VEGF薬治療は非常に効果が高く、糖尿病黄斑浮腫になっても早期から治療できれば発症前の視力に近い状態まで回復し、維持できる可能性があります!
ただし、むくみを取るためには何度も注射をしなければいけないこと、薬がとても高額で3割負担の患者様だと一回の治療で5万円前後かかるというデメリットもあります。
経済的な負担がどうしても大きい治療ですので、まずは糖尿病黄斑浮腫を発症しないよう血糖コントロールをしっかり行うことが重要です!
※抗VEGF薬治療を行う場合は【高額療養費制度】という、申請しておけば医療費の自己負担限度額を超えた分が後から払い戻される制度が適応となることがあります。
【高額療養費制度】については、ご加入の公的医療保険窓口へお尋ねください
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、血管新生緑内障についてご説明いたします!
お楽しみに☆