コラム COLUMN
緑内障患者さんに有用なサプリ候補!コエンザイムQ10
2026.03.05
ドクター
緑内障は「眼圧を下げること」がもっともエビデンスのある治療です。しかし、眼圧を下げるだけでは進行は完全に抑制することができないことがあるのも事実です。そのなかで、コエンザイムQ10が緑内障にとって有効なサプリとして注目されています。
コエンザイムQ10は、細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアで電子伝達系の補酵素として働き、ATP産生を支えます。同時に、活性酸素を消去する強力な抗酸化物質でもあり、酸化ストレスから細胞を守る働きがあります。視神経乳頭グリア細胞を用いた研究では、コエンザイムQ10が酸化ストレス下でミトコンドリアの数や体積、構造を保ち、ATP 産生を維持しつつ活性酸素を減少させたと報告されています(1)。
さらに、緑内障モデルマウスを用いた動物実験では、コエンザイムQ10を含む飼料を6か月与えることで、網膜神経節細胞の生存率が約29%増加しました。酸化ストレス関連酵素等の神経細胞死に関連する変化が抑えられたことから、コエンザイムQ10がミトコンドリアを介した神経保護を発揮したと結論づけられています(2)。
ヒトでのデータも出てきています。開放隅角緑内障患者を対象に、β遮断薬点眼に加えて コエンザイムQ10+ビタミンE点眼を12か月使用した群と、β遮断薬単独群を比較した試験では、眼圧は両群で変わらないにもかかわらず、コエンザイムQ10+ビタミンE点眼 群で 網膜)と視覚野の反応が有意に改善しました(2)。
現在、コエンザイムQ10は開放隅角緑内障患者に対して治験が行われている最中であり【NCT03611530 (“CoQun® Ophthalmic Solution in Open-Angle Glaucoma”)など】、これらを総合すると、コエンザイムQ10は緑内障における神経保護サプリ候補と言えます。
ただし、コエンザイムQ10は「眼圧を下げる治療の代わり」ではなく、あくまで補助的なサポート役です。また、市販サプリは製品ごとに品質が異なるため、開始前には主治医と相談し、既存治療と併用する形が安全です。
「少しでも自分でできることを」という患者さんにとって、生活習慣の改善や眼圧治療に加え、コエンザイムQ10をうまく取り入れることは、将来の視野をよりよくするための良い選択肢といえるかもしれません。
おおうら眼科では、緑内障患者様の相談、治療を承っています。お悩みの方はぜひお越しくださいませ。
参考文献
- Noh, Y. H., Kim, K.-Y., Shim, M. S., Choi, S.-H., Choi, S., Ellisman, M. H., Weinreb, R. N., Perkins, G. A., & Ju, W.-K. (2013). Inhibition of oxidative stress by coenzyme Q10 increases mitochondrial mass and improves bioenergetic function in optic nerve head astrocytes. Cell Death & Disease, 4(10), e820. https://doi.org/10.1038/cddis.2013.341
- Lee, D., Shim, M. S., Kim, K.-Y., Noh, Y. H., Kim, H., Kim, S. Y., Weinreb, R. N., & Ju, W.-K. (2014). Coenzyme Q10 inhibits glutamate excitotoxicity and oxidative stress–mediated mitochondrial alteration in a mouse model of glaucoma. Investigative Ophthalmology & Visual Science, 55(2), 993–1005. https://doi.org/10.1167/iovs.13-12564.
- Parisi, V., Centofanti, M., Gandolfi, S., Marangoni, D., Rossetti, L., Tanga, L., Tardini, M., Traina, S., Ungaro, N., Vetrugno, M., & Falsini, B. (2014). Effects of coenzyme Q10 in conjunction with vitamin E on retinal-evoked and cortical-evoked responses in patients with open-angle glaucoma. Journal of Glaucoma, 23(6), 391–404. https://doi.org/10.1097/IJG.0b013e318279b836
お問い合わせ
お気軽にお問い合わせください。(問い合わせ対応時間は診療時間と同じです)
おおうら眼科は一人ひとりのお悩みに丁寧にお答えします。
当院では、さまざまなケースに対応できるよう患者様に治療の選択肢をご提示しております。各治療のメリット・デメリットをしっかりとご説明させていただき、ご理解いただいてから治療を行っております。
どんな些細なことでも不安や心配なことがございましたら、お気軽にお尋ねください。
受診予約は「WEB予約」から!
ご予約の方が優先になりますが、ご予約無しの方でも受付させていただきます。
大阪市淀川区・阪急三国駅から徒歩約2分の眼科「おおうら眼科」では、眼科全般の診療を行っています。
院長は、これまで大学病院やさまざまな症例に関わり、多くの手術を手がけてきました。
これまでの臨床経験で得てきたノウハウを用いてそれを可能な限り実現し、患者様に満足していただけるように最大限努めています。
おおうら眼科では眼科全般の対応はもちろん、白内障、網膜硝子体、緑内障の極小切開の手術が受けることが出来ます。クリニック内で行うことで術後のフォローやケアも一貫して行なえます。その他、小児の斜視や弱視の治療にも注力しています。