コラム COLUMN

こどものものもらい/めばちこをきれいに治す方法
2025.03.11
ドクター
こんにちは。おおうら眼科の院長、大浦嘉仁です。
関東では「ものもらい」、関西では「めばちこ」と呼ばれる霰粒腫(さんりゅうしゅ)や麦粒腫(ばくりゅうしゅ)という、瞼が腫れる病気があります。お子さまが急に瞼を腫らして痛みを訴え、眼科に通院した経験のある親御さんも多いと思います。また、とりあえずドラッグストアに駆け込み市販の目薬を試してみたという、ご家庭も少なくないと思います。そんなとき、どうすればベストかお答えします。
目薬でものもらい/めばちこは治りにくい
市販のものもらい用の点眼薬をお試しになられた方、眼科で抗菌点眼薬を処方してもらったこともあるかもしれません。
点眼薬はものもらいの初期には有効ですが、すでにしこりができて触れると痛みがあったり、黄色く膿が見える状態になっている場合、点眼薬だけでは根治は困難です。
何度かものもらいの経験がある人なら「あれ、ものもらいかな?」と初期症状がわかることが多いので、その段階で頻回に目薬を使うことが効果的です。
目薬は1日3~4回で治ることがありますが、5~6回が最も効果的です。
繰り返しになりますが、目薬はあくまで初期段階に有効であり、症状が進行すると治療効果が得られなくなります。
よくあるケースとして、痛みはなくなったものの、腫れたまま、しこりが残ったままのため、漫然と点眼薬を数週間使い続けているといった場合です。この場合は逆に治りにくくなります。
目薬は眼に効かせることを前提に作られており、まぶたには効果は期待できません。ですので、目薬をどれだけ続けてもしこりは残り続け根治には至りません。
ものもらいには軟膏と内服薬が効果的
まぶたの病気は基本的に皮膚疾患なので、内服薬と軟膏が効果的です。
内服薬は抗生物質になります。
こどもには、目薬を頻繁に使うことがまず困難なので、目薬のみで治るのは軽症の事例といえるでしょう。本来ならば、小児に抗生物質を不必要に投与するのは基本的には避けたいことですが、初期からしっかり除菌しないと治療が長引き、長期にわたって抗菌薬を服用するか、膿んで破裂を待つことになりかねません。
破裂しても完全に治らないことがあり、結局は「専門施設にて全身麻酔を使って切開」といった大きなリスクと負担を伴います。
ですので、初期段階から抗生剤を内服し、まぶたへの抗菌薬の移行率が高い眼軟膏を塗布する必要があります。
初めからステロイド入りの抗菌眼軟膏を使用すると、細菌の活動が活発になり、症状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。
また、抗菌眼軟膏は健常な皮膚の上から塗布しても、ステロイドはある程度効きますが抗菌薬はほぼ効果がありません。そのため、まぶたではなく眼内に投与することが必要です。
眼軟膏の使用方法については、処方された眼科でしっかり確認し、適切に塗布することが大切です。
(腫れている皮膚の上から抗菌眼軟膏を塗布しても効果がほぼないことを理解しておくと良いでしょう。)
初期治療が大切
要するに、可能な限り早く抗菌薬を投与することが重要です。
早期に眼科を受診し、しこりや腫れがひどければ内服薬を使うことが望ましいと考えています。
しかし、これらは眼科医の共通認識ではなく、往々にして点眼薬のみの処方で終わってしまう眼科医が多いと思われます。その場合、その後の治療がどうなっているのか分からないこともありますが、私の眼科にはものもらいをこじらせて転院してくる症例が少なくはなく、私自身はそのような転院を繰り返すような事例を可能な限り作らないために、特に初期対応に気をつけています。
初期治療は非常に大切です。早期に適切な治療を受けることで、治癒が早まり、後々の重症化を防ぐことができます。
ものもらいが治りにくくてお困りの方は、ぜひおおうら眼科までご相談ください。
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当院では、さまざまなケースに対応できるよう患者様に治療の選択肢をご提示しております。各治療のメリット・デメリットをしっかりとご説明させていただき、ご理解いただいてから治療を行っております。
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大阪市淀川区・阪急三国駅から徒歩約2分の眼科「おおうら眼科」では、眼科全般の診療を行っています。
院長は、これまで大学病院やさまざまな症例に関わり、多くの手術を手がけてきました。
これまでの臨床経験で得てきたノウハウを用いてそれを可能な限り実現し、患者様に満足していただけるように最大限努めています。
おおうら眼科では眼科全般の対応はもちろん、白内障、網膜硝子体、緑内障の極小切開の手術が受けることが出来ます。クリニック内で行うことで術後のフォローやケアも一貫して行なえます。その他、小児の斜視や弱視の治療にも注力しています。