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コラム COLUMN

弱視治療のタイムリミットって? 小児の弱視④

2023.08.05

スタッフ

こんにちは! おおうら眼科 スタッフのもーりーです。
今回までに3回、弱視についてご説明してきましたが、ここで重要ポイント5点をおさらいしましょう!

【弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズをつけても視力が1.0出ない状態】
【ヒトは生まれてすぐは明るさしかわからないが、様々なものを見ることで視力や両眼視機能(遠近感・立体感をもって見る力)を発達させていく】
【正常に発達すれば、3歳ごろには視力1.0程度が見えるようになる。視力や両眼視機能の発達は6歳ごろにほぼ完成する】
【何らかの障害により、目が見えにくく視力が発達しないと弱視が引き起こされる】

【弱視は治療が必要な状態で、早期発見・治療開始が大事】

弱視は早期発見・治療開始が大事だと小児の弱視①でちょっとだけお伝えしたのですが、どうして早期発見が大事なのでしょうか?
今回は、弱視の早期発見の重要性についてご説明いたします。

弱視を見逃すな! 弱視を早く見つけた方がいい理由

弱視を早く見つけた方がいい理由は【視力や両眼視機能の発達は一定の年齢で止まるため、治療で効果を出すにはタイムリミットがあるから】です!

冒頭でもお伝えいたしましたが、視力や両眼視機能(遠近感・立体感をもって見る力)は生まれた時から備わっているわけではなく、様々なものを見て眼や脳が刺激を受けることで徐々に発達していきます。
たとえば視力は、生後すぐは明暗が分かる程度しか見えませんが、1歳ごろには0.2程度、2歳ごろには0.6程度、3歳ごろには1.0程度が見えるようになります。
両眼視機能は1歳ごろから可能となり、だいたい6歳ごろにほぼ完成します。

このように視覚が発達していく期間を『視覚の感受性期』といい、生後1か月から1歳半までは感受性が非常に強いので、視力や両眼視機能などの視機能はぐんぐんと発達していきます。
その後、感受性が下がるにつれ視機能の発達も徐々にゆるやかになり8歳ごろには完成、それ以降発達することはあまりありません。

眼の発達に非常に大事なこの期間に、何らかの理由で見ることを邪魔されていたら……?
視力や両眼視機能が発達しにくくなり、弱視になってしまいます!
そして、8歳ごろには発達しきって完成してしまうので……
それ以降に弱視が見つかり治療を始めても、十分な効果が得られない可能性があります!
だからこそ、弱視はより早く見つけて治療を開始する必要があるんです!!!

弱視って、何歳までに見つけたらいいの?

「弱視は早く見つけた方がいいって……じゃあ、何歳までに見つけたらいいの?」
「何歳までに治療を開始したら、よくなるの?」
このように心配に思う方も多いかと思います。

弱視の治療開始のタイムリミットは、だいたい8歳前後と言われています。
先ほどもご説明いたしましたが、視力や両眼視機能といった視機能が8歳ごろには完成するため、それ以降だと治療の効果が十分に得られない可能性があるからです。

そして、治療を開始するベストなタイミングは3歳前後と言われています!
3歳ぐらいになると、言葉がある程度話せるため視力検査が出来るようになります。
弱視の検査では、眼鏡をかけたらどれくらい見えているか? を確認することが一番重要です。
視力検査を行える3歳から4歳ごろに弱視を発見し治療につなげれば、多くの場合改善が見込めます!
3歳から4歳までに一度も眼科を受診したことがない場合は、たとえ3歳児検診で問題が見られなかったとしても、一度受診して検査を受けましょう!
(3歳児検診の重要性と、視力検査の注意事項についてはこちらもご覧ください)

※ただし、先天性の白内障、眼瞼下垂や斜視などによる弱視の場合は、より早い年齢で治療を開始することが重要です!
「目の中が白く見える」「まぶたが十分に開かない」「片目だけ別の方向を向いている」などがあれば、なるべく早く眼科を受診しましょう!


幼児は、視力が0.3ほどあれば日常生活を送ることができるため、弱視は見逃されがちです。
その一方、子どもが50人いたら1人は弱視だと言われています。
弱視は早く見つけて、治療を開始すれば改善が見込める場合が多いです。

ほんの少しでも何か気になることがあれば、お気軽に受診してくださいね。

受診予約は右側にある「受診予約」から!(スマートフォンでご覧の方は下部に御座います。)
ご予約の方が優先になりますが、ご予約無しの方でも受付させていただきます。

小児眼科についてはこちらも併せてご覧ください。

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