コラム COLUMN

弱視って何？　何が困るの？　小児の弱視①

2023.07.15

スタッフ

こんにちは！　おおうら眼科　スタッフのもーりーです。
突然ですが【弱視】って聞いたこと、ありますか？
【弱視】は「単に目が悪いこと」「目が悪くて見えにくいこと」とは全く異なります！
【弱視】は治療が必要な状態で、また小児の弱視において治療が効果を発揮する時期にはタイムリミットがあります！
今回はそんな【弱視】に関して、①弱視とは何か、自覚症状はあるか　②弱視だと何が困るのかの2点をご説明いたします。

①弱視ってそもそも何？　自覚症状は？

【弱視】とは【眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても、視力が1.0出ない状態】をいいます。

人間の目は、生まれてすぐ1.0見える！　みたいなようには出来ていません。
生後すぐは明暗が分かる程度ですが、日常生活を通して様々な物を見て眼と脳が刺激を受けることで、少しずつ視力や両眼視機能(両目で同時にものを見て、遠近感や立体感を感じる力のこと)が発達していきます。
そして、生後半年で視力0.1程度、1歳で視力0.2～0.3、3歳で1.0前後見えるようになります。
目でものを立体的に、遠近感をもって見る力(両眼視機能の)は3歳までにある程度発達していき、視力なども含めて6歳前後でほぼ完成されます。

ただし、これは目に何も異常がなく、正常に発達していった場合です！！
何らかの理由により目の発達が邪魔されてしまい、目でものを見る力がしっかりと育たなかった状態が【弱視】です。

弱視のお子さんは、普段から見えにくい状態で生活しているので『見えにくい』という自覚症状がありません。
お子さんの様子を見ている時に「片目をつぶって見る」「横目づかい・上目づかいで見る」「顔を傾けて見る」「顔を上げて見る」「絵本などを近付けて見る」「片目を隠すと嫌がる」「転びやすい、ものにぶつかりやすい」「お絵描きやぬりえをしてもすぐに飽きる」などの様子があれば、弱視などで『見えにくい』可能性があります！

②弱視だと何が困るの？

「弱視だと何が困るの？　別に目が悪くても生活できないわけじゃないし……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、弱視だと将来運転免許が取れなかったり、なりたい職業を諦めないといけない……という可能性があります！

例えば、普通運転免許では【左右それぞれの視力が0.3以上で、両眼の視力が0.7以上あること(眼鏡等による矯正視力でも可)】という規定があります。
他に、採用試験で視力検査があり、一定以上の視力が必要となる職業として、警察官・消防士・パイロットなどがあります。

●警察官
両眼とも裸眼視力が0.6以上、又は矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズで矯正した視力)が1.0以上

●消防士
矯正視力を含み、両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上

●パイロット(航空自衛隊の場合)
遠距離視力が裸眼で両眼とも0.1以上で、かつ矯正視力が1.0以上
（※裸眼視力0.2未満の場合は-6.0D～+3.0Dを超えない屈折のレンズで矯正視力が1.0以上）
近距離視力が両眼とも矯正視力で1.0以上

お子さんの弱視を見逃してしまうと、将来、後悔してしまうことがあるかもしれません……！！
弱視の原因は4つありますが、原因と治療法については次回ご説明いたします。

弱視治療のタイムリミットについては、こちらのコラム【3歳児検診の重要性】もご覧ください。
弱視・小児眼科についてはこちらもご覧ください。